魔法の言葉
息子のオープンキャンパスのおつきあいを終えて帰ってまいりました。いやー、親ばかになりますが、子供って家の中の顔と、外の顔って違うのだ、とつくづく感じた三日間でした。この分だと、心配の一人暮らしも、案外、本人はスイスイでこなしていくのではないか、と期待しています。
今日は、忙しい中、3日間も留守をした人間の正しいマナーとして恐る恐る、かつ謙虚に出勤しました。が、1時間もしないうちに、多忙の嵐の中で、あの三日間は夢が幻かという具合に現場復帰いたしました。今日、嬉しかったのは、先日、送らせたいただいたトウモロコシが熟れ過ぎていた、とクレームをいただいたお客さまが、弊社がおわびに送ったトウモロコシがおいしかったとお友達を紹介してくださったことです。この高温続きの日々の中で、トウモロコシの成熟がどんどんすすみます。収穫も急いでいるのですが、どうしても中には、熟れ過ぎたものがあります。そして、中には厳密なチェックをくぐり抜けてお客様の手もとに届いてしまうものも・・・・・。楽しみにしていたトウモロロコシが届いて食べてみれば、熟れ過ぎ、というのは誰でも不愉快ですよね。おわびの品を送ったものの、気にしていたら、お客様はお友達を紹介してくださいました。「おいしかったから」と。ものすごく、感動しました。「おいしい」という言葉を言ってもらう為に、私たちは一生懸命、栽培しています。昔、私がまだ農業に縁のなかった頃、農家の人の「おいしい」と言ってもらえたら苦労を忘れる、という言葉は「きれいごと」かな、と思っていました。しかし、実際、自分が栽培する側にまわると、栽培している期間中、ずっと、お客様に「おいしい」と言ってもらえるかどうかが気になるのです。熟れたとうもろこしを最初に食べる時、実はドキドキものなのです。そして、最初のとうもろこしをお客さまに食べてもらう時は、本当に審判を待つ心境。「おいしい」という一言は、栽培しているものにとっては、本当に勇気のでる魔法の言葉なのです。