オーガニツクレストラン体験記
先日、知る人ぞ知るというオーガニックレストランに友人たちと行ってきました。
場所は岡山のチベットといわれている旧加茂川町のそのまた山の上です。
地元の人間というおごりから、迎えに行きますと言う言葉を断って、カーナビ頼りに行きましたが、私のカーナビの性能では「空白地帯」にその場所はありました。結局、迎えにきていただくはめになり「素直な中年になりましょうね」と奥様に言われてしまいました。(深く反省!)
田舎に住む我々ですら感嘆するような景色の中で、シェフ暦の長いご夫婦の、素材を厳選した料理に目と舌を楽しませてもらいました。私の友人たちは、city派なので、彼等の関心はもっぱら景色や木々等々の自然の美しさでしたが、私の関心は無農薬でどうやって除草するんだろう、とか虫を防ぐのだろうということでした。
最近は「有機無農薬野菜」に需要が多く、新規就農の人たちの大半はそれに活路をみいだそうと試みることが多いのです。結果は無惨に失敗する例も多いのですが・・・・・
農業を趣味とするなら無農薬栽培は可能ですが、それで生活しようとすると、減農薬というのが国内農業の実態だと私は思っています。が、ここのご夫婦は「農家レストラン」と無農薬野菜を他のレストランに卸すことで生活の基盤をきちんと築いていらっしゃるようです。うらやましいけど、うらやましいけど、私がそれをまねをしようとするならば、越えなくてはいけない壁が高すぎました。
壁、その一、道、テーブル、イス、小鳥のえさ台、ハウス・・・・・全部、奥様がつくられたのこと。
壁、その二、外国から種等を入手されていますが、聞くところによると、フランスでの生活が長かったとのこと。私の弱点の語学の壁が・・・・・
壁、その三、家の壁には捕虫網が。これで蝶をノルマで一日10匹捕殺するとか。蝶を愛でるのは、農家以外の人、農家にとっては蝶は青虫の親です。ついでに、ハウスを見学させていただいている時、コウロギをさっと捕まえて、まっ二つに。コウロギは野菜の新芽を切るから、と。秋の虫の音を愛でていたのでは無農薬農家は務まりません。
以上の他にも、幾多の壁が。要はたくましさと知識の量が違いすぎました。ひとつひとつの野菜を愛着をもって栽培し、またその野菜に対する知識もすごいの一言。また、農業は余分な費用をかけてはいけない、ということでほとんどを自力と材料の工夫で低コストに。さらに「色気も欲しい」ということで苗からつくって500本の芙蓉、ラベンダーと。何をみても聞いても「すごい」としか言いようのない時間でした。日々、その中で生活するにはとても大変でしょうが、見る分には「私もこんな暮らしをしてみたいな」の世界でした。
最後に、一緒に行った友人たちがまた「優れもの」で、職業柄、色彩に造形が深く、私が無造作に言った花の色をを分解してもとのベースになる色は何かを解説してもらいました。
クリーム色と黄色の違いを言葉で理論的に説明してもらうというのも実に新鮮で、賢くなったようで(所詮、錯覚ですが)嬉しい体験でした。