秋のつれづれに

 朝晩、肌寒くなってまいりました。夜の闇が長くなると物思いの時間も必然的に長くなってまいります。そんな中で、ふと思いついた疑問(これを疑問といえるかどうかはその人の感性ですが)を書いてみます。
 「あの人はお尻が重たいから」という言葉は、その指摘された人物は行動が遅いというマイナスの意味で使用されます。「重い」の反対は「軽い」。ならば「あの人はお尻が軽い」という表現が行動が素早いというプラスの意味で使われるかというと、そうでもありません。むしろ性的な意味のマイナス表現になってしまいます。「身軽」という意味も、軽いの反対の重いを使用して「身重」になると、また反対語としての意味としては違ってくるし・・・・・
そうしてみると「軽い」「重い」という言葉の使い方もなかなか難しいものです。私たちは幼い頃からの生活の中で、言葉の使いわけがごくごく自然に身についていますが、外国人に日本語を教えるとき、「身軽」の反対は「身重」ですね、と確認のように言われたとき、日本語を教える教師はどのように答えるのでしょうか。一部の例外はあれど、比較的規則正しい文法の英語が世界の共通語になっていく理由もわかるような気がします。
 外国人に日本語を教える苦労をマンガで描いた本を、抱腹絶倒で読みました。日本語を愛する人にぜひ読んでほしい本です。秋の夜長の読書の勧めでした。