東京で農業環境技術研究所の公開セミナーに出席しました。
12月4日に、東京で生分解性マルチに関する公開セミナーが開催されました。
そのセミナーで現場からの意見を言って欲しいというお話をいただいたので、「安くして欲しいと言っていいなら」ということでお引き受けしました。
いろいろな意味でとても面白いセミナーでした。
そのセミナーで私自身、思うこと、考えたことはたくさんありました。その中で、「日本の家電メーカーが韓国・中国に負けたわけ」という話を思いだしました。
何で読んだか聞いたかは忘れましたが、日本の家電メーカーは品質本位とプライドにこだわりすぎて、購入する人たちのことを考えてことなかったという論でした。
とても厳しい批評でしたが、なるほどと思う部分もありました。というのは、所得の低い人たちにとって、必要なのは高機能の商品よりも、必要な性能があって安いものなのです。日本の製品は、画面がきれいとか、性能がいろいろありましたが、買える金額でないと買えないのです。
そのあたりは、韓国製品がうまくて、性能を必要なものに特化するかわりに、手の届く価格設定にしたとか。
なぜ、そんな話を思いだしたかというと
生分解性マルチの価格が高いか安いかという話になったとき、使用する側の私としては高い、でも、メーカー側の方は高くないという話で並行線になったからです。
日本の農業は、いかに政府が成長産業ともちあげようと、高齢化で農家総数が激減しているという現実がすべてを物語っていると思います。
野菜等の農作物の価格が抑えられているのに、いかに高品質のものとはいえ資材に高い物を使用するのには限度があります。
品質ということを考えた場合、電化製品と農業資材に求められるものは、むろん違うし、事情もありますが、やはり現場が必要としいるものを少しでも安く提供していただきたいものだと思います。
それと、私の持論ですが、日本の農業は平野と中山間地域では、諸条件が違うのですから、政策が一本というのもおかしいと思っています。